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情報提供

 

◎ 特許電子図書館の利用方法

JLF事務局 情報部会
【 弁理士 】 梅田 綾子

  1. はじめに
      最近、工業所有権に関する話題を耳にすることが増えたと思います。例えば、「ビジネスモデル特許」「遺伝子特許」「偽ブランド」といった内容が報道されない日はないくらいです。 特許庁は、情報普及の一環として、特許庁が保有する特許情報のデータベースと検索用システムを、誰でも利用できる社会共通の財産としてームページ上で提供しています(特許電子図書館:http;//www.ipdl.jpo-miti.go.jp/homepg.ipdl)。
      しかしながら、工業所有権制度に明るい人であればこのデータベースを用いて、必要な情報を検索することができるのですが、あまり馴染みのない人であれば、「いったい何をどのように検索すればいいのか」、というところで不自由を感じることが多いと思います。
      そこで、特許電子図書館の利用方法にあったって必要な事項を簡単に説明します。
  2. 工業所有権について
      まず、特許電子図書館で利用できる情報は、知的財産権のうちの工業所有権に関するものです。工業所有権には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権が含まれます。
    <特許権>
     特許法で保護されます。
    • 具体例:物または方法の技術面のアイデアのうち高度なもの実用新案と比べて長ライフサイクルのもの(ハードと結びついたコンピュータプログラム、植物、動物、微生物なども含む)
    • 保護期間:出願の日から20年
      (医薬品と農薬については5年を限度として延長可能)
    〈実用新案権〉
     実用新案法で保護されます。
    • 具体例:物品の形状、構造などの技術面のアイデアで早期実施、短ライフサイクルのもの
      特許に比べて技術が高度でなくても良い
      方法のアイデアは対象外
    • 保護期間:出願の日から6年
    〈意匠権〉
     意匠法で保護されます。
    • 具体例:物品(物品の部分を含む)の形状、模様、色彩などの物の外観としてのデザイン
      単なる絵や図柄は対象外
    • 保護期間:設定の登録の日から15年
    〈商標権〉
     商標法で保護されます。
    • 具体例:商品やサービスについて自他の識別力を有する文字、図形、記号、立体的形状、(色彩)
    • 保護期間:設定の登録の日から10年(継続使用による更新が可能)
  3. 検索のしかた
     電子図書館トップページです。
      (http://www.ipdl.jpo-miti.go.jp/homepg.ipdl)
    電子図書館トップページ
      ところで、各サービスのメニューには、「特許・実用新案公報DB」「特許・実用新案文献番号索引照会」「IPC検索」など、色々なものがありますが、いったいどのサービスを利用して検索すればよいか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
      特許電子図書館では、特許権や商標権の内容を特定する情報の他、出願番号、登録番号など、ケースを特定する番号の他、出願人、発明者、権利者など、主体を示すもの、出願日、登録日など日付のような書誌的事項から検索することができます。
      例えば、番号だけわかっている権利の内容を検索する場合や、特定の会社の権利を検索する場合には、書誌的事項を検索キーとします。
      特許と商標の実体的内容について、より具体的に説明します。
    (1)特許の場合
      特許は、「特許請求の範囲」や「発明の詳細な説明」「要約書」に記載された文字情報で特定されます。なお、特許権の範囲は、「特許請求の範囲」の記載に基づいて定められます。
      特許電子図書館では、含まれる文字をキーとするテキスト検索もできますが、特許庁で付したコードによって検索することもできます。このコードには、IPC、Fターム、FIなどがあり、対象となる技術分野によって分類されています。詳しい説明は特許庁ホームページを参照下さい。
    特許庁ホームページ
    (2)商標の場合
      商標は、「商標」と「指定商品・役務」で特定されます。
      「商標」は、図形のマークの場合もありますし、文字の場合もあります。商標を特定するものとしては、主に「外観」と「称呼」が用いられます。
      「外観」は見た目で特定するもので、特許電子図書館では、文字と図形で特定できるようになっています。図形については、特許庁内で用いている図形タームで検索します。
      「指定商品・役務」は、権利の対象となる業務を特定したものです。指定商品・役務は、国際分類に基づいて1〜42、までの分類に区分されています。また、特許庁では、類似する商品・役務毎に類似群コードを付しています。
    商標のホームページ
    (3)サービスのメニューについて
      各サービスのメニューを分類してみました。
    @番号から検索するもの
    特許・実用新案公報DB:特許・実用新案の各種公報を、文献番号から参照できます。
    特許・実用新案文献番号索引照会:特許・実用新案の各種公報を、各種番号から参照できます。
    商標公報DB:商標公報を、文献番号から参照できます。
    商標文献番号索引照会:商標公報を、各種番号から参照できます。

    A内容から検索するもの
    IPC検索:特許・実用新案の各種公報を、IPC、ファセットを用いた検索にて参照できます。
    FI・Fターム検索:特許・実用新案の各種公報を、特許庁内で利用しているFターム、FI、ファセットを用いた検索にて参照できます。
    称呼検索:文字を含む商標を読み方(称呼)による検索により参照できます。
    図形商標検索:図形を含む商標を特許庁内で利用している図形タームを用いた検索にて参照できます。

    B.複合的に検索できるもの
    公開特許公報フロントページ検索:平成5年1月以降の公開特許公報のフロントページ(書誌的事項、要約、代表図面)及び主な経過情報を、テキスト検索又は文献番号から参照できます。
    公報テキスト検索:平成5年1月以降の特許・実用新案公報(公開、公告、登録)を、書誌的事項・分類(FI、IPC)・本文のテキスト検索にて参照できます。
    商標出願・登録情報:商標、書誌的事項、経過情報を、文字商標による検索又は各種番号等から参照できます。
      ところで、出願されたすべての特許や商標について検索できる訳ではありませんのでご注意下さい。
     特許は、出願日から18ヶ月経過した後に公開されることになっていますので、それ以前のものは出願中でも検索されません。
      商標は、出願日から約3ヶ月程度経過した後に検索できるようになっています。
      また、公序良俗に反するものや、データ蓄積期間以外のものも公開されていません。
  4. どのような場合に検索するのか
      では、一体どのような場面で、特許電子図書館での検索をしようとするのでしょうか。
      例えば、自分の実施している技術や使用している商標、が第三者の権利に抵触しないかどうか調べる場合もありますし、これから出願しようとしているものが、すでに出願あるいは取得されていないかどうか調べる場合もあります。
      あるいは、すでに特定されている特許出願や商標出願のステータスを確認する場合もあるでしょうし、権利者、権利の存続期間を調べる場合もあると思います。

     (例)東京都が出願している特許を検索してみました。
    特許を検索した画面
      まず、メニューから、特許・実用新案の公報テキスト検索を選択します。
      図示した画面では、検索対象の公報種別を選択し(@)、検索項目を選択します(A)。そして、その項目で検索するキーワードを入力して(B)、検索実行ボタンを押すと(C)、検索結果の件数と一覧表示ボタンが表示されます(D)。
      一覧表示された公開番号をクリックしますと、公報のテキスト情報および図面が表示されます。
      この例では、検索項目で「出願人」を選択し、検索キーワードを「東京都」で検索してみました。
      すると、318件ヒットし、下記一覧が表示されました。
    特許検索結果画面
      経過情報も調べてみましょう。
    経過情報画面
      このように、インターネットで色々な特許情報が検索できるようになりましたので、大変に便利になりました。しかも無料で情報が公開されていますから、皆さんも是非挑戦してみて下さい。
      ご質問は、梅田綾子(QZS03140@nifty.ne.jp)までお寄せ下さい。質問が多数寄せられました場合には、本編の続編を掲載する予定です。
    イラスト

(2001.1.1発行)


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