(公財)日弁連法務研究財団 理事長
内田 貴
公益財団法人日弁連法務研究財団は、1998年(平成10年)、日弁連から1億円の寄付を受け、それを基金として設立されました。法及び司法制度の研究並びにこれらの研究に対する助成、法実務の研修、法情報の収集と提供及び法学教育・法曹養成事業をその目的としています。設立以来、この事業目的のもとで、私どもは、法に関する「理論と実務との架け橋」を構築するためのシンクタンクたらんとして、活動を続けてきておりますが、2004年(平成16年)4月に法曹養成教育に特化した法科大学院が発足したことを受け、法科大学院の教育改善を支援するための第三者評価(認証評価)事業等も行って参りました。
法律問題は日々、複雑多様化、高度化、国際化の様相を強めています。こうした状況に的確に対応するため、法律実務に携わる者は、さらに一層の研鑽を積んでいく必要があります。加えて、社会に向けてより広く深く法の支配を浸透させていくためには、必ずしも法律実務に日常直接関与しない方も対象とした、広く社会に開かれた研究機関として、各種研修・研究、法情報の提供等を実践することが必要です。
これらの事業は、弁護士をはじめとする多くの法律専門職の方々と法学研究者や法社会学者らとの共同作業として行って初めて可能となる事業であり、私どもはこうした事業の遂行を通して、実務家と研究者との広汎かつ密接なネットワークを構築して参りました。
当財団は、研究者の方にとっては、実務に接触し研究領域を拡充するための役割を担う一方、実務家が日常業務の中で出会う疑問や問題点について一歩突っ込んだ思索をしたいとき、研究者からよき協力支援を得、かつ必要な情報を収集するための役割を果たすことができるものになっていると自負しています。
当財団の活動は、会員の方の会費によって支えられていますが、会員資格は、弁護士だけに開かれているものではありません。広く隣接法律専門職の方々、研究者の皆さん、企業法務の皆さん、さらに一般市民の方でも法制度にとくに関心をもち、財団の活動に参加したいという方に、会員になっていただくことができます。当財団は今後とも、こうした多くの方々のご理解ご支援を受けて、いっそう充実した活動を展開していく所存であります。志ある方々の会員へのご参加をお待ちしています。