シンポジウム「マイナンバーをめぐる混迷を解剖する」
公益財団法人日弁連法務研究財団・第一東京弁護士会(総合法律研究所 IT法研究部会) 共催
日本では、2015年から、行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤として、マイナンバー制度が創設され、あわせて公的個人認証機能を搭載したマイナンバーカードが発行されました。政府は、オンラインでの安全・確実な本人確認の実現のため、マイナンバーカードの普及に努めていますが、2023年に、マイナンバーの紐づけの誤りをめぐる一連の問題が発生し、マイナンバー制度やマイナンバーカードに対する国民の漠然とした不安や疑念を招く結果となってしまいました。
マイナンバーやマイナンバーカードは、デジタル化・オンライン化した経済社会のインフラとして必要なものですし、行政の効率化や国民の利便のために相当なポテンシャルを有しているはずです。近時の報道では批判的な意見ばかりが目につきますし、普及を推進する政府の方針も弥縫策の印象が拭えません。国民のプライバシー保護は大事ですが、そのために郵便でマイナンバーを集める手間が必要なのでしょうか。なぜうまくいかないのでしょうか。
現在の混迷は、制度創設当時から存在した、政治・法制度・憲法論・技術といった要因の絡まりあいの結果です。本シンポジウムでは、各界の論客を招き、現在の混迷の総体と原因に切り込んでいただきます。その中で、この制度を有効に活かしていく道筋が見えてくるでしょう。
日時
2025年1月14日(火) 18:00~19:30
※事前オンデマンド配信(YouTube)は、2024年12月24日(火)15:00配信開始予定
方法
オンライン開催
プログラム
● 事前オンデマンド配信 :講演
(講演タイトルから資料をダウンロードすることができます。)
①「マイナンバー制度の歴史・概要と法的位置づけ」 (2025年1月9日更新)
角川 正憲 弁護士
②「マイナンバー・マイナンバーカードと犯罪対策」
中崎 隆 弁護士
③「デジタル認証アプリについて」
若江 雅子 氏
④「憲法論:国家による個人の把握と『プライバシー』」
宍戸 常寿 氏
⑤「マイナンバーは何に役立つのか、何が危険なのか」
水町 雅子 弁護士
⑥「マイナンバーとマイナンバーカードの迷走を技術的に考察する」
佐藤 一郎 氏
◆ 講師略歴(※登壇順)
・角川 正憲 弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同)
2017年同志社大学法学部卒業、2018年京都大学法科大学院中退(司法試験予備試験合格のため)。第一東京弁護士会 総合法律研究所 IT法研究部会会員。2019年弁護士登録、弁護士法人淀屋橋・山上合同入所(現職)。LINE株式会社(現:LINEヤフー株式会社)プライバシーカウンセルを経て、Priv Tech株式会社出向中(上記弁護士法人と兼職)。主要論文として『AIによる契約書レビューと弁護士法・弁護士職務基本規程に関する考察』ビジネス法務21巻9号(2021年)、『Cookieレス時代のインターネット広告と個人情報保護』ビジネス法務24巻9号(2024年)など。
・中崎 隆 弁護士
執筆:『データ戦略と法律 攻めのビジネスQ&A 改訂版』(共編著、日経BP、2021年)、『詳説犯罪収益移転防止法 第3版』(九段金融・IT研究所、2023年)など多数。
・若江 雅子 氏(読売新聞東京本社編集委員)
青山学院大学国際政治経済学部卒業。1988年読売新聞入社。北海道支社、社会部などを経て2014年より現職。単著『膨張GAFAとの闘い デジタル敗戦 霞が関は何をしたのか』(中公新書ラクレ、2021年)、分担執筆として指宿信=板倉陽一郎編『越境するデータと法: サイバー捜査と個人情報保護を考える』(法律文化社、2023年)、山本龍彦ほか編『個人データ保護のグローバル・マップ-憲法と立法過程・深層からみるプライバシーのゆくえ』(弘文堂、2024年)。
・宍戸 常寿 氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
1997年東京大学法学部卒業、同助手。2000年東京都立大学法学部助教授、2007年一橋大学大学院法学研究科准教授などを経て2013年より現職。2024年より東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻長(法科大学院長)。専門は憲法・情報法。主要著作に『憲法 解釈論の応用と展開(第2版)』(日本評論社、2014年)、『法学入門』(共編著、有斐閣、2021年)、『個人情報保護法』(監修、商事法務、2024年)など。現在、国立情報学研究所客員教授、デジタル行財政改革会議構成員、個人情報保護委員会「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」座長代理、J-LIS代表者会議委員など。
・水町 雅子 弁護士(宮内・水町IT法律事務所)
東京大学教養学部卒業後、現みずほリサーチ&テクノロジーズにてITコンサルタント・SE業務等に従事し、東京大学法学政治学研究科法曹養成専攻(法科大学院)を経て弁護士登録。西村あさひ法律事務所にてIT案件・企業法務案件に従事後、内閣官房社会保障改革担当室及び特定個人情報保護委員会にて番号法(マイナンバー)の制度設計・立法化・執行に従事。現在は、宮内・水町IT法律事務所所属。得意分野は情報法(個人情報保護法・番号法)・IT法・企業法務全般・行政法務全般。『Q&Aでわかる医療ビッグデータの法律と実務』(日本法令、2024年)』、『Q&A番号法』(有斐閣、2014年)、『個人情報保護法』(労務行政、2017年)等、著書・論文・メディアコメント多数。
・佐藤 一郎 氏(国立情報学研究所 教授)
1991年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業、1996年同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻後期博士課程修了、博士(工学)。お茶の水女子大学理学情報学科助手、助教授、国立情報学研究所ソフトウェア研究系助教授を経て、現職。経済産業省・総務省「企業のプライバシーガバナンスモデル検討会」座長、内閣官房・個人情報保護委員会・総務省(共管)「個人情報保護制度の見直しに関する検討会」検討会構成員ほかを歴任。著作には『AIと社会と法』(共著、有斐閣)、『ChatGPTは世界どう変えるのか』(中公新書ラクレ、中央公論新社)など。
● 当日ライブ配信:パネルディスカッション
司会:松本 絢子 弁護士(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 パートナー)
参加費
無料(どなたでも参加できます)
申込み方法
参加を御希望の方は、以下の申込サイトからお申し込みください。
オンラインによる参加方法等の詳細については、後日、御登録いただいたメールアドレス宛てに御案内させていただきます(申込受付完了画面での御案内に代えさせていただく場合があります。)。
参加申込みURL https://forms.office.com/r/hfMiTpX0au
※ 御提供いただいた個人情報は、公益財団法人日弁連法務研究財団の個人情報保護方針に従い厳重に管理し、本シンポジウムの参加者確認(共催者である第一東京弁護士会及び講師による確認を含みます。)及び連絡、並びに今後開催される公益財団法人日弁連法務研究財団主催の研修・イベント等の案内及び情報提供に使用いたします。
入会金・年会費無料キャンペーン
※ 当財団が主催する研修会・シンポジウム等への参加者に対し、当財団に入会する際の入会金及び初年度年会費を無料とするキャンペーンを実施しています (入会月が1月から3月の場合は、翌年度の年会費も無料です。)。
この機会に日弁連法務研究財団の会員となることを是非御検討ください。
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