概要
当財団は、衆議院及び参議院の委託を受け、2025年9月、旧優生保護法補償金等支給法第33条に基づく調査及び検証等会議(以下「旧優生保護法問題検証会議」といいます。)を設置しました。
2024年7月3日、最高裁判所は、1996年まで存在した旧優生保護法上の「優生条項」(障害等を理由として強制的に不妊手術を実施することを可能とする規定)が憲法第13条及び第14条第1項に違反することを明確にした上、優生条項を規定した立法行為が違法であったと断じました。
そして、改正前民法第724条後段の除斥期間の適用を否定し、優生条項に基づき不妊手術を強いられた被害者らの国に対する損害賠償を認めました。
旧優生保護法補償金等支給法は、この最高裁判所判決を受けて制定、施行されたもので、同法第33条は、障害や疾病等を理由として不妊手術や人工妊娠中絶を受けることを強制されるという事態が二度と繰り返されないよう、国において、旧優生保護法下の不妊手術及び人工妊娠中絶等に関する調査等を行い、その成果を踏まえ、当該事態が生じた原因及び再発防止等の措置を検証及び検討すべきことを定めています。
同法第33条は、さらに、このような調査・検証・検討の前提となる視座として、「特定の疾病や障害を有する者に対する優生上の見地からの偏見と差別を根絶し、全ての国民が疾病や障害の有無によって分け隔てられることなく相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資する観点」を示しています。
そのため、旧優生保護法問題検証会議は、国の委託を受けた第三者機関として、障害等のある人に対する偏見・差別の根絶及び共生社会の実現という基本的な観点を持ちながら、調査・検証・検討作業を行う責務を負っています。
旧優生保護法問題検証会議は、不妊手術を強いられた被害者のほか、科学史、生命倫理、政治史、法学、医療、障害福祉、教育、報道等の様々な専門領域に精通する委員で構成されています。また、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、精神障害のある委員もいます。このように委員が多様なバックグランドを持っていることは、上記の基本的な観点との関係で重要な意義を有すると考えています。
旧優生保護法問題検証会議では、「検証会議」を定期的に開催するほか、検証会議の活動を円滑に行うために設けた3つの「分科会」での作業も同時並行で進めています。
旧優生保護法問題検証会議の業務執行期間は、2029年3月31日までと設定されています。この限られた期間で、これまで埋もれてきた被害実態に関する資料や証言等をできる限り掘り起こすこと、当時の社会情勢や価値観を含め複雑に絡み合う背景事情を解きほぐすこと、その上で、実効的な再発防止策の提言に繋げることが求められています。
旧優生保護法補償金等支給法第33条に基づく調査及び検証等会議運営要綱
当財団は、旧優生保護法問題検証会議の運営要綱を以下のとおり定めています。
運営要綱(PDFファイル;138KB)
運営要綱(Wordファイル;22KB)
